語末のсяは母音の後では сьという形になります。例えば、занимать(占領する、占める)という動詞の語末に、сяをくっつけてзаниматьсяというся動詞を作ると、「従事する、勉強する」という別の意味の動詞になるわけです。сяの持つ「自分自身を」というニュアンスが「占領する」に加わり「自分自身を占領する=従事する、勉強する」といった意味内容の動詞に変化するわけです。
以下、заниматься (従事する、勉強する)の過去形と現在形の人称変化をまとめておきます。ся動詞の人称変化は、сяを取り除いた元の動詞の変化形に、そのままсяまたはсьを付加します(сяまたはсьの区別は上記青字のルールに従う)。
ся動詞現在形の人称変化
я занимаюсь
мы занимаемся
ты занимаешься
вы занимаетесь
он занимается
они занимаются
ся動詞過去形の人称変化
он (я, ты) занимался
она (я, ты) занималась
оно (я, ты) занималось
они (мы, вы) занимались
ся動詞に関連する注意点:
(1)ся動詞の語末が「тьсяおよび тся」という綴になるときは、「тца」という綴りと同等の発音になります。
(2) 全ての動詞にсяがついた形が存在するわけではありません。逆に、сяがついた形の動詞しか存在しない場合もあります。例えば、знать(知っている)には、-ся動詞がありません。逆に、улыбаться(微笑む)はсяがついていない形の動詞は存在しません。
(3) 上記で少し触れましたが、сяがつくと、元の動詞の意味に、(自分で~する)「再帰」、(~される)「受動」、 (お互いに~する)「相互」などのニュアンスが加わって別の意味を持つ動詞となります。
例文
сяの有無で、例えば次のように意味が変わります。
Мать одевает мальчика.(発音)
母が少年の身支度を整えている。
Мальчик одевается.(発音)
少年は身支度している。