どちらの場合でも、形容詞は説明する名詞の性と数に呼応した語形をとります。間違った語形を用いると(例えば、男性名詞を説明するために女性形の形容詞を用いるなど)、文章として意味を成さなくなってしまうので注意が必要です。
形容詞は、説明する名詞の性(男性,女性,中性)と数(単数,複数)に対応する4つの形(語形)をもちます。
単数形の形容詞は、説明する名詞の性別によって男性形、女性形、中性形の3つに変化します。複数形の形容詞は、名詞の性別に関係なく常に同じ形となります。
ロシア語の辞書で形容詞を調べるとき、形容詞の見出し語(代表形)として用いられるのは『単数形の男性形』です。
<<形容詞の述語的用法>>
(以下の例文では、形容詞の語幹に相当する部分を黒で、説明する名刺の性と数によって変化する部分を赤字で示しています。)
述語的用法では、形容詞は名詞の後に置かれます。
単数形、男性形
Дом новый. (発音)
(家は新しい)
単数形、女性形
Машина новая. (発音)
(車は新しい)
単数形、中性形
Окно новое. (発音)
(窓は新しい)
複数形
Карандаши новые. (発音)
(鉛筆[複数形]は新しい)
<<形容詞の修飾語的用法>>
修飾語的用法では、形容詞は名詞の前に置かれます。
単数形、男性形
новый дом (発音)
(新しい家)
単数形、女性形
новая машина (発音)
(新しい車)
単数形、中性形
новое слово (発音)
(新しい単語)
複数形
новые слова (発音)
(新しい単語[複数形])
硬変化型と軟変化型
ロシア語の形容詞は、語尾の母音の硬軟により2つ型(硬変化型と軟変化型)に分類され、それぞれ異なった語形変化を行います。
例えば、новый(新しい)という単語は硬変化型、послéдний(最後の)は軟変化型です。以下にそれぞれの語形変化をまとめておきます。硬変化型のновыйと軟変化型のпослéднийでは、赤字部分が異なることを確認してください。