所有表現:「у+属格(生格)+есть+主格」
「у」は英語のwithに相当する単語なので、英語で「I have a pen」というところを「a pen with me」というような感じで表現するのがロシア語の所有表現です。
所有表現は、「(人)が○○を持っている」という意味で使うことが多いので、人称代名詞の属格を当てはめた形を覚えておくことが大切です。以下、「у +人称代名詞の属格(生格)」の形をまとめておきましょう。
я
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у меня
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мы
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у нас
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ты
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у тебя
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вы
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у вас
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он/оно
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у него
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они
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у них
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она
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у неё
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「у него」の「го」の発音は、「ゴォ」ではなく例外的に「ボォ」に近い感じの発音になります。
現在時制のесть(有る)は所有表現では不定形のまま用います。過去形を作るときは、主格名詞(所有するもの)に合わせた形の「бытьの過去形」を用います。過去形についてはまた別の機会に詳述します。
所有表現では、「○○を持っている」という所有に焦点を当てた意味以外に、主格名詞の"特徴"に焦点を当てた意味内容を表すこともできます。
例えば、「У нас чёрные глаза.(発音)」という文は、「私たちは黒い目を持っている」という意味ではなく、「私達の目は黒い」という、主格名詞の特徴に焦点を当てた意味を表します。
ここで注意しなくてはいけない点は、話し手の関心が存在そのものから主格名詞の数量や特徴に移っているときには「есть」が省略される点です。上記の例文でестьが無いことを確認してください。
一方、単純に、「持っている」という所有の意味で用いる場合は、естьを用います。
(例)У меня есть интересная книга.(私は面白い本を持っています。[発音])
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