2017年4月1日土曜日

【第24回】 名詞格変化 ― 中性名詞

過去何回かにわたって名詞の格変化について説明してきましたが、ここでは「中性名詞」に焦点をあててみます。

中性名詞は、主格およびそれと同形の対格以外は男性名詞に準じた格変化をします。硬変化型名詞の окно(窓)、軟変化型名詞の море(海)について格変化を以下の表にまとめておきます。変化する部分(語末)を赤字で、アクセント位置を太字で示します。

主格
 окно 
 море
対格
 окно
 море
属格(生格)
 окна
 моря
 前置詞格(前置格)
 окне
 море
与格
 окну
 морю
具格(造格)
 окном 
 морем 


ここで、それぞれの格になったときの名詞がはたす文法上の役割を再度まとめておきます。

格 (падеж ) 意味 機能
は型 主格 (именительный падеж) ~は・~が 主語・述語
を型 対格 (винительный падеж) ~を 直接目的
の型 属格 (родительный падеж) ~の 所有・所属
前置詞型 前置格 (предложный падеж) 前置詞の意味 前置詞と共に
に型 与格 (дательный падеж) ~に 間接目的
で型 具格 (творительный падеж) ~で・~として 手段・職業

ポイント

中性名詞は、単数形では主格と対格は常に同じ形です

ー ийで終わる男性名詞と同様、иеで終わる中性軟変化名詞の単数前置詞格(前置格)はииとなります。例えば、здание(建物)の前置詞格は здании となります。

例文

Там море.(発音
あそこに海がある。[主格]

Мы видели вдали море.(発音
私達は遠くに海が見えた。[対格]