<<名詞のタイプの判別、その1>>
ロシア語の名詞は、文法上、男性名詞、女性名詞、中性名詞の3つのタイプに分類されます。どの名詞がどのタイプに属するかは、綴りの終端(語末)からおおよそ判断することができます。- 男性名詞: 語末が子音で終わる(йも子音であることに注意)。もしくは、ьで終わる。
- 女性名詞: 語末が、а、я、ьで終わる。
- 中性名詞: 語末が、о、е、мяで終わる。
яで終わる女性名詞とмяで終わる中性名詞は混同しやすいので注意が必要です。ただし、мяで終わる中性名詞は10個しか存在しませんので、大きな問題とはなりません。
ьで終わる名詞は、男性、女性両方の場合があり、語末からは男性、女性の区別はできませんので個別に覚える必要があります(語末以外にも、単語の意味等から名詞の性別を類推できる場合もあります)。
男性名詞
студент(男子学生)、трамвай(路面電車)、музей(博物館)、словарь(辞書)
女性名詞
студентка(女学生)、Япония(日本)、станция(駅)、новость(ニュース)
中性名詞
окно(窓)、море(海)、поле(野原)、здание(建物)、время(時間)
名詞の性別の基本ルールまとめ
(三人称代名詞は第3回で学習します。)
硬音
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軟音
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例
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対応の三人称代名詞
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男性名詞
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-子音
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-й, -ь
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студе́нт музе́́й де́нь
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он 彼 それ
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女性名詞
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-а
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-я, -ь
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студе́нтка Япо́ния но́вость
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она́ 彼女 それ
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中性名詞
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-о
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-е, -мя
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окно́ мо́ре и́мя
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оно́ それ
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<<名詞のタイプの判別、その2>>
名詞の中には、その1のルールでタイプを判別できないものも存在しますが、その名詞が生物学的な意味で(もしくは慣習として)性別を区別できる場合、文法上の性別も生物学的な(もしくは慣習的な)性別に従います。例えば、папа(パパ)、 мудчина(男性)などは、語末が母音の「а」で終わるので、その1のルールに従うと女性名詞ということになりそうですが、単語本来の持つ意味がハッキリと生物学的に「男性」だと判別できるので、この場合、文法的にも男性名詞として扱われます。
同様の例を幾つか列挙しておきます。
男性名詞
юноша(若者)、дядя(おじさん)、Ваня(ワーニャ、注:男性名の愛称形です)
女性名詞
мадам(マダム)、леди(~夫人)
【第2回】 断定文・疑問文・否定文