2017年3月2日木曜日

【第19回】 и変化動詞現在形(1)

第13回で、ロシア語の動詞は、現在形の認証変化によって、е変化動詞(第Ⅰ変化動詞)とи変化動詞(第Ⅱ変化動詞)の2種類に分類されることを紹介しました。また、е変化動詞と変則的е変化動詞の現在形の人称変化を、第13回と第17回で学習しました。今回は、残るもう一方の動詞、и変化動詞(第Ⅱ変化動詞)の現在形の人称変化について学習します。

и変化動詞の人称変化では、不定形からтьとその前の母音を取り除いたものが語幹となります。(е変化動詞では、不定形からтьを取り除いた形が語幹となっていましたので、語幹の捉え方が若干異なります。)

そして、その語幹にе変化動詞と同様に、主語の人称と数に応じてю, ишь, ит, им, ите, ятを付け足します。具体例として、 говорить(話す)という代表的なи変化動詞の人称変化を表にまとめておきます。

я
 говорю
мы
 говорим
ты
 говоришь 
вы
 говорите
он 
 говорит
они
 говорят

и変化動詞の特徴は、1人称単数(я)と3人称複数(они)以外で、語末に и が現れることです。

なお、不定形で ть の前の母音にアクセントがある動詞は、人称変化によってアクセントが移動することがあります。アクセントが移動する礼として、смотреть(見る)という動詞の人称変化を以下に示しておきます。赤字で示した文字がアクセント位置です。

смотреть(不定形) 
я смотрю 
ты смотришь
он  смотрит
мы  смотрим
вы  смотрите
они  смотрят

例文

A: Вы говорите по-русски?(発音)
あなたはロシア語を話しますか?

B: Да, я  говорю по-русски.(発音)
ええ、話します。


【第18回】 этот、тот、весь、один
【第20回】 по-рyсски と рyсский язык

2017年3月1日水曜日

【第18回】 этот、тот、весь、один

頻出の4つの代名詞と数詞、этот(代名詞、この)、тот(代名詞、あの)、 весь(代名詞、すべての)、один(数詞、1つの)は、形容詞のように修飾する名詞の性と数によって4つの形に変化します。

単数では修飾する名詞の性によって3つの形に、複数では性別に関係なく1つの形になります。この性質は、第6回で学んだ形容詞の変化と同じです。


単数
複数
 意味
男性
女性
中性
этот
эта
это
эти
この, その, あの
тот
та
то
те
その
весь
вся
всё
все
全ての, 全部の
один
одна
одно
одни
ある, ひとつの

例文

этот дом(発音)
この家

эта газета(発音)
この新聞

это море(発音)
この海

эти люди(発音)
この人たち

тот дом(発音)
あの家

та газета(発音)
あの新聞

то море(発音)
あの海

те люди(発音)
あの人たち

весь дом(発音)
家全体

вся газета(発音)
新聞全部

всё море(発音)
海全体

все люди(発音)
全部の人々


【第17回】 変則的е変化動詞とоватьで終わる動詞
【第19回】 и変化動詞現在形(1)

2017年2月28日火曜日

【第17回】 変則的е変化動詞とоватьで終わる動詞

変則的е変化動詞

第13回で、е変化動詞(第I変化動詞)の現在形を扱いましたが、е変化動詞と似ているけれども若干異なる人称変化を行う変則的е変化動詞というものが存在します。

例として、писать(書く)の現在形の人称変化を表にまとめておきます。

  я
 пишу
  мы 
 пишем
  ты 
 пишешь
  вы 
 пишете
  он 
 пишет
  они 
 пишут

変則的е変化動詞の人称変化を、第13回で表にまとめたе変化動詞の人称変化と比べると、1人称単数(я)と3人称複数(они)以外は、同じ語末の綴りであることがわかります。

また、писатьのように、不定形においてアクセントが ть の前の母音にある動詞は、人称変化した後に、アクセントが語幹に移動することがります。

語末がоватьで終わる動詞

不定形が овать という綴りで終わる動詞は、人称変化するさいに語尾の前に у を入れ、ую、уешь という語末となります。

例えば、интересоваться(興味をひく)の人称変化は以下のようになります(この動詞は、第16回で学んだся動詞でもあります)。

я интересуюсь
ты интересуешься
он интересуется
мы интересуемся
вы интересуетесь
они интересуются

例文

Я сейчас пишу книгу.(発音)
私はいま本を書いている。

Он часто пишет письма.(発音)
彼はしばしば手紙をかく。

Мы интересуемся музыкой.(発音)
私達は音楽に興味があります。


【第16回】 ся動詞
【第18回】 этот、тот、весь、один

2016年11月27日日曜日

【第16回】 ся動詞

ロシア語の動詞で語末が、ся(сь)で終わっているものを ся動詞(シャー動詞)と呼びます。ся動詞は、普通の動詞の語末にсяを付加することで形成されます。普通の動詞の語末に「ся」という語末が付加されると、もともとの意味に「自分自身を」あるいは「自分自身(のため)に」というニュアンスが付加されます。

語末のсяは母音の後では сьという形になります。例えば、занимать(占領する、占める)という動詞の語末に、сяをくっつけてзаниматьсяというся動詞を作ると、「従事する、勉強する」という別の意味の動詞になるわけです。сяの持つ「自分自身を」というニュアンスが「占領する」に加わり「自分自身を占領する=従事する、勉強する」といった意味内容の動詞に変化するわけです。

以下、заниматься (従事する、勉強する)の過去形と現在形の人称変化をまとめておきます。ся動詞の人称変化は、сяを取り除いた元の動詞の変化形に、そのままсяまたはсьを付加します(сяまたはсьの区別は上記青字のルールに従う)。

ся動詞現在形の人称変化
я занимаюсь
мы занимаемся
ты занимаешься
вы занимаетесь
он занимается
они занимаются

ся動詞過去形の人称変化
он (я, ты) занимался
она (я, ты) занималась
оно (я, ты) занималось
они (мы, вы) занимались


ся動詞に関連する注意点:

(1)ся動詞の語末が「тьсяおよび тся」という綴になるときは、「тца」という綴りと同等の発音になります。

(2) 全ての動詞にсяがついた形が存在するわけではありません。逆に、сяがついた形の動詞しか存在しない場合もあります。例えば、знать(知っている)には、-ся動詞がありません。逆に、улыбаться(微笑む)はсяがついていない形の動詞は存在しません。 

(3) 上記で少し触れましたが、сяがつくと、元の動詞の意味に、(自分で~する)「再帰」、(~される)「受動」、 (お互いに~する)「相互」などのニュアンスが加わって別の意味を持つ動詞となります。

例文

сяの有無で、例えば次のように意味が変わります。

Мать одевает мальчика.(発音)
母が少年の身支度を整えている。

Мальчик одевается.(発音)
少年は身支度している。

2016年11月25日金曜日

【第15回】 名詞格変化: 軟変化型(男性名詞,女性名詞の場合)

第10回で硬変化型名詞の格変化について学習しましたが、今回は軟変化型名詞の格変化を見ていきましょう。

第10回でも触れましたが、硬変化型名詞と軟変化形名詞は、語末が硬音で終わるか軟音で終わるかで区別します。硬変化型名詞は硬音で、軟変化形名詞は軟音で発音が終わります。

再度、硬音と軟音の定義を確認しておくと、日本語の拗音(きゃ、きゅ、きょ、にゃ、にゅ、にょ、りゃ、りゅ、りょ、等)に相当する音が軟音、それ以外が硬音です。

硬変化型名詞、軟変化型名詞は、綴り上は格変化する時に明確な違いがありますが、実は音感的には似通った格変化を行います。実際に両方の型の発音聞くと、格変化のパターンが音の上では似ていることがわかると思います。

例として、軟変化型の名詞  писатель(作家、男性)、 музей(博物館、男性)、неделя(週、女性)の格変化を以下の表にまとめておきます。

男性軟変化名詞
女性軟変化名詞
主格
писатель
музей
   неделя
対格
писателя
музей
   неделю
属格(生格)
писателя
музея
   недели
与格
писателю
музею
   неделе
前置詞格(前置格)
о писателе
о музее
   о неделе
具格(造格)
писателем
музеем
   неделей

 名詞が格変化をするとき、全ての格で綴りが異なるわけではなく、上の表に見られるように、いくつかの格では同じ綴りになることもあります。また、格変化しても綴りが変わらない場合もあります(つまり、格変化しない、とも言える)。以下に付加的なルールを2つまとめておきます。

1. -ийおよび -ияで終わる男性名詞および女性名詞の前置詞格(前置格)はともに 「-ии」。
  男性名詞: Василий   →   о Василии
  女性名詞: станция   →   о станции

2. 女性名詞の前置詞格(前置格)と与格は常に同じ綴りとなる。
  станция   →   [前置格/与格]станции

例文

Он был в России.(発音)
彼はロシアにいた/行ったことがある。

Вы были в Японии?(発音)
あなたは日本に行ったことがありますか?

2016年11月24日木曜日

【第14回】 場所の表現

ロシア語で「ここで、あそこで、家で」など、場所を表す方法は大きく2通りあります。
  1. здесь(ここ)、 там(あそこ)、 дома(家で)など副詞で表す。
  2. 「前置詞 в / на+前置詞格(前置格)の名詞」という形で表す。
前置詞「в」 は内部や閉ざされた場所にいる(ある)状態を表し、前置詞「на」は表面や広々とした場所にいる(ある)状態を表します。

例文

例文で場所を表す表現を確認しておきましょう。

副詞を用いる方法

Я дома.
私は家にいます。

Это здесь. 
(それは)ここです(ここにあります)。

Это там. 
(それは)あそこです(あそこにあります)。

前置詞 в + 前置詞格(前置格)

в столе(発音)  
引き出しの中に

В комнате(発音)
部屋で

в посольстве / школе, театре , ресторане(発音)
大使館/学校、劇場、レストランで

в университете(発音)
大学で、大学に

в городе / стране,  море(発音)
街/国、海の中で

前置詞 на+ 前置詞格(前置格)

на столе(発音)   
机の上に

на востоке /   западе,   юге,  севере(発音)
東/西、南、北で

на вокзале /   почте,   заводе(発音)
駅/郵便局、工場で

на приëме /   вечере,  концерте,  работе(発音)
受付/集い、コンサート、職場で

на Урале /    Кавказе(発音)
ウラル/コーカサスで

2016年11月22日火曜日

【第13回】 動詞の現在形: е変化動詞

ロシア語の動詞は、現在形の人称変化のパターンによって、е変化動詞(または、第Ⅰ変化動詞)とи変化動詞(または、第Ⅱ変化動詞)の2種類に分類されます。ここでは、まずе変化動詞の現在形についてまとめます。

е変化動詞の現在形を作るには、不定形の語末からтьを取り除き、тьの代わりに、主語の人称と数(単数または複数の区別)に応じて、ю、ешь、ет、ем、ете、ютを語末にくっつけます。

現在形は状況によっては現在進行形の意味を表すこともあります。читать(読む)というе変化動詞について現在形の綴りを表にまとめておきます。

е変化動詞の現在形
    不定形
читать
主語とその人称
語幹 語尾
単数
 

複数
1       
я       
читаю
2
ты
читаешь
3
он ,оно, она
читает
1
мы
читаем
2
вы
читаете
3
они
читают


ロシア語の現在形では、主語と動詞の形は必ず1対1対応します。つまり動詞の語末の綴りを見ることによって主語を見なくても主語を特定することができます。このことからロシア語の現在形では主語が省略されることが多くなります。

また、現在形になると、語末だけではなく語幹まで綴りが変化する動詞も例外的に存在します。例えば、頻出単語の хотеть(~したい、~を欲する)もそのような動詞の一つです。

主語/不定形
хотеть
я
хочу
ты
хочешь
он/он/оно
хочет
赤字部分が語幹

例文

例文で、е変化動詞の現在形の使用例を確認しておきましょう。

A: Что ты делаешь?(発音)
何をしているのですか?

B: Читаю.(発音)
読書です。

A: Что вы делаете? (発音)
何をしているのですか?

B: Отдыхаю. (発音)